後輩から質問を受けたのでまとめた。
間違えているかもしれないので注意。指摘していただけると助かります。
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以下、簡単に各XIS (0,1,3) とHXDのNormが食い違う理由になりうる較正上の
不定性について簡単に書いておきます。
1. XISのnon-X-ray backgroundの不定性
宇宙線由来のバックグラウンドは観測(衛星軌道)毎・検出器毎、
場所毎に異なります。XIS 0,1,
揺らぎによる筈です。暗い天体のハードな帯域 (5-10 keVあたり) のfluxはこの不
定性の影響を大きく受けます。 BGを視野内の暗い所から引くという解析では、
この不定性の影響が大きくなります。 xisnxbgenというftoolを使い、「(1) SRCとBG
の領域毎にNXBのスペクトルを作り、(2) SRCとBGの各々NXBを差し引いた上で更に
SRCからBGを引く」といったことを行えば、
統計誤差が大きくなります。
2. XISのcontaminationの較正の不定性
XISには可視光遮断フィルターがついていますが、
物質(ゴム等からアウトガス)
観測時期が進むにつれ増加しており、検出器毎、
この汚染物質量の較正の不定性はXIS 0,1,
ソフトな帯域 (0.5-2 keVあたり) のfluxはこの不定性の影響を大きく受けます。
3. XRTの望遠鏡の較正の不定性
XRTの有効面積レスポンス (arf) を計算するモンテカルロシミュレーション
(xissimarfgen) 内では設計図どおりの理想的な望遠鏡の形状が仮定されてい
ます。しかし、実際には打ち上げ (+経年劣化?) によりXRTの形状がいくらか変化し
ていることが分かっており、XIS 0,1,3間、およびPINとのnormalizationの
食い違いの原因になります。この不定性はXIS 0,1,3で異なり、更に光軸(視野)
中心から離れるにつれて大きくなります。
4. 衛星の姿勢の揺れの不定性
観測中に「すざく」衛星の姿勢が揺れ、
光軸中心からずれてしまい、
わかっています。XIS 0,1,3間、
原因になります。この不定性は光軸(視野)
くなります。これまで割と良く補正されていたのですが、
姿勢の揺れが問題になりつつあるようです。
改善されるかもしれません。